【2009/05/09 鳥取:鳥取城跡・仁風閣】


鳥取城跡へ歩いていると石垣が見えてきました。
しかし、石垣の改修(復元)工事中のため迂回させられました。
坂を降ってまた登りなおしとなるため、「先に書いとけ」と怒りそうでしたが
意外な風景に出会えたので、怒りは沈静化しました。

Section2 仁風閣

【和洋混在した景色】

迂回路の看板を無視し(爆)ショートカットして歩いていると美しい日本庭園がありました。
そして、その庭園には似合わないような古い洋館がありました・・・。
デザインは美しいのですが、なぜこの庭園にこの洋館???
それは仁風閣という建物でした。

【仁風閣 正面より】

日本庭園側は建物の裏でした。
表に回ると玄関がありました。これまた立派な造りだ・・・

建物の名前は 「仁風閣」 入館料150円。(安っ)
中も見てみたいので、立ち寄りました。

ここは、大正天皇が皇太子の頃に山陰へ来られた際に、
ご宿泊のために建てられた建物との事でした。
建設費四万四千円 との事ですが、当時の鳥取市の年間予算が五万円との事なので
そうとうな投資で建てられた建物です。
皇太子殿下が数日滞在するための建物にかける金額というのも凄いですね。
当時、いかに皇族の方々を敬っていたのかが伺い知れます。

当時の資料や戦国時代からの資料など、歴史資料館のような資料もありました。

【仁風閣 謁見の間】

「謁見の間」とあったので、各有力者が皇太子殿下へ謁見する部屋だったのでしょう。
広くて美しい間取りでした。

【仁風閣 部屋名忘れた・・】

一見して食堂のようですが、食堂ではありません。
殿下がお食事される部屋は広々としておりました。

【仁風閣 らせん階段】
仁風閣の最大の見所が、このらせん階段でした。

木造なのに、支柱がありません。
しかも木のカーブがこの上なく美しかったです。
日本の職人の技が籠められた階段でした。

【仁風閣 らせん階段】
上から見下ろした図です。

手すりの下にある大きな木が支柱の役割をしているそうです。
保存のために歩く事は出来ませんでしたが、
じっくり観察してその美しさを堪能しました。

【仁風閣 らせん階段】

階段外側は八角形になっており、この形状が外観の特徴、八角形の塔になっていました。

【仁風閣 その他の画像】




【夕日に染まる仁風閣】




着工から完成までわずか8カ月、超短期間での建造なのにしっかりした造りで
今でも充分生活に使えます。
大地震の折も市内の建物が倒壊するなか仁風閣は持ちこたえ、窓ガラスの一部は割れずに
建築当時のガラスがそのままでした。
平ガラスの技術が無い時代なので、微妙な歪みが外の景色をゆらゆらと見せ風情がありました。

参考リンク:こちら(財団法人 鳥取市文化財団)


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